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映画「ガッチャマン」レビュー

「糞!!!」
gatcha.jpg

先日、映画「パシフィック・リム」のついでとして前評判がすこぶる悪い「ガッチャマン」を見に行った。「パシフィック・リム」についてはまた後日。
幸いにもタツノコ全盛期の世代ではないのでそこまで原作とのギャップによるダメージは深くないが、近年良く見る「ノーラン病(というかモダンアメコミ映画病)」をこの作品も患っており別の方向からチクチクチクチク精神を大きく削られた様な印象だ。普段ならあまりこの段階で面白いかどうかには触れないのだけど今回ばっかりは腐臭を隠すのにも限界があるのでこういう書き出しになってしまった事を許して欲しい。
先に書いてしまうけれども、もしこの作品に興味があるのならその日は二本続けて見た方が良いし、この映画の後に見るものは今まで見たくて見たくてずっと楽しみにしていた様なとっておきを用意しておくのが得策だろう。例えに好きな映画を出すのは気が引けるが「バットマン:ダークナイト・ライジング」でツッコミ疲れて頭が痛くなるような人は目の前の作品の整合性を無理やり保とうと右脳と左脳が喧嘩し始める事になるので覚悟した方が良い。逆に、あれをツッコミ無しで楽しめた人は劇中の台詞のチグハグさと後半につれしぼんでいく展開が気になる程度なので良い意味で肩透かしをくらうかもしれない。

例によってネタバレ前回なので、興味がある人だけmore...からどうぞ

「あなた、くるってる!」

こっちの台詞だ!!
突っ込みどころが多すぎて何から突っ込めばいいのか悩んでしまう。

敵であるギャラクターは全世界への宣戦布告からたったの17日で世界の半分を牛耳るものの、その後何故か人類の生存を一部の地域のみで許し、ゆっくりと虐殺を進めている。それに対抗する為に「800万人に1人」という確率で不思議な石から力を貰える兵士を育成し来る日に備えていた…というのがこの映画のあらすじなのだが対抗できる力を持った人間の扱い方や、その間の技術進歩、世界情勢、人口の推移…といった悲壮感や希望の描写は一切ない。なので、ギャラクターの悪行によって変わった世界は序盤に映し出される焼け野原と、ブランド品店やファストフード店が思いの外栄えてる日本の都会のイメージしかわかず、スクリーンからにじみ出る危機感といったものは今一つ足りない。
序盤、銃火器が一切効かない相手に石の力で立ち向かえるガッチャマン達の活躍は凄まじいもので日本のVFXのイメージを払拭してくれるような素晴らしい戦闘が繰り広げられる。が、一旦最初の戦闘が終わってしまえば唯一対抗できる力を持ってる5人組だというのに一致団結からは程遠く、過去の因縁だのなんだの、生きる意味がどうたらこうたら、任務なんかどうでもよくて母ちゃんと一緒にいたい、弱いせいで周りに迷惑かけてるのを自覚してない…等など、各々が弱みを見せ続けていくので遅々としてメインの話が頭に入ってこないどころかその弱みを解消する話も「健」と「ジョー」以外全くないので「お前ら何のために悩んだの?」と脳を痛めてしまう。
尺の関係上仕方ないのかもしれないが、そういった不安要素を1人1人解決しないまま信頼関係がぐちゃぐちゃの状態で南部博士が放った「お前ら5人で敵の本拠地行って来い」という言葉はあまりにも冷酷すぎる上にそんな精神状態の奴らを向かわせて作戦が成功すると思い込んでいるのも理解に苦しむ。
最終的に仲間を率先して助ける健に、彼を見なおした仲間がついていく…というお約束な流れになるがそれは映画の約半分以上を持っていってるドラマパートで消化して欲しかった。

兎に角、人間模様がそんな感じで各キャラクターの感情の流れが理解し難いので序盤の素晴らしいアクションシーンから「おあずけ」を食らった様な気持ちになる。それでも次のアクションが繰り広げられれば何かしらのカタルシスを得られる筈…と信じ、ずっとスクリーンを見ていると今度は各作戦のお粗末さが目についてしまう。

そもそも最初の任務である爆弾を内蔵した車輪型の巨大兵器を止める作戦にしたって機械にそこまで強くない剛力彩芽演じる「ジュン」を車輪内部に送り、失敗しそうになってるし(爆弾解除は失敗したので制御装置にブーメランぶっこんで壊してた…)戦力を分散させた結果ピンチになる味方は現れるわで子供の頃から訓練し続けた兵士達とは到底思えない(司令も含めて)。そして「ギャラクター」から情報提供を交換条件に日本へ亡命を図った「イリヤ」を保護するために仮面舞踏会(何故仮面?)への潜入作戦も指紋と顔写真のすり替えが済んでいないにも関わらず列に並ぶお粗末っぷりだし(そもそも決起集会的な何かなら国に要請して公式に発行しろ)仲間に異常が起こっているにも関わらずそれを知らせるサインみたいのは一切用意してない。さて、イリヤを保護して電磁バリアの檻に入れ、何かあったら頭上からはすげぇ量の液体窒素が降るから大丈夫と思えば近くの兵士を内側から引っ張り電磁バリアをショートさせ(何でこの時液体窒素降らないの?)要人をさらっていくし、なんとその要人はすげぇ威力の衛星砲をうなじにつけた認証システムで発射できるときてる。(そのメカニズムを一般兵士のライフルに転用しろよ…)そして最終作戦はテスト飛行をしたことも無い「ゴッドフェニックス」で何故か日本の近くの海から姿を表した敵要塞に突っ込んで要人を奪い返すという作戦。おまけに軍の援護はない。発射寸前だった衛星は、うなじについてた差し込み口からプラグを挿入して直接ハッキングし座標をずらす事で事なきを得ていくが最後の一発をずらす前に敵の罠?により要人が自爆。仕方ないので何故か宇宙に向かっていた敵要塞を直接衛星にぶつける事で凌いので、最後は全員無事脱出。(ゴッドフェニックスが宇宙で運用できるなら要塞に向かわず直接バードミサイルを打ち込みにいけばよかったんじゃ…?)


と、こんな感じに
NO考な荒唐無稽っぷりで突っ込みどころ満載な作戦のみである
BGMで更に緊張感を煽っているつもりが作戦内容が上記の通り「やりたい演出をやるために作られた」しょうもないものなのでただのノイズに聞こえるし、劇場では「うるせぇ!」と声もあげられない環境でさらに自分の不満感をつのらせた。加えて高速移動や空を自由自在に飛べるのが売りな彼らのクライマックスアクションはずっと要塞内の狭い部屋での戦いで地味ときてるので「おあずけ」は映画が終わるまで解除されない。

大体人間模様にしても作戦にしても設定にしても劇中で言われてる事が整っておらず「仲間より任務」だったり「任務より仲間」だったり、その結論を彼らを統括している南部博士は反抗されるにしろなんにしろ立場的に示していかなきゃいけないのに健以外のメンバーとはあまり話さないまま傍観してるだけだし、適合者は除隊できないの承知の筈なのに「除隊する」とか言い出すし、そのシーンの意味結局殆どなかったし今まで2対1でボコボコに負けてた相手に変なクロスカウンターで倒せちゃうし、何の操作もしてねーのに要塞が衛星にぶつかりに行くってどういう事だよ!!!!!
おまけに爆発の影響でゴッドフェニックスが燃えた事を科学忍法火の鳥とか言っちゃう映画って…!!!


つ、ツッコミすらまとまらねぇ…


実際、敵であるギャラクター側の「人間は復讐を止めず、争いが一生続くので彼らの兵器で自殺してもらう」という作戦と主張が唯一まともに思えるレベルなのにそれすらも序盤含む適当な虐殺によって説得力が皆無になってしまうし、ラスボスが主張する「自由」というワードも空中に投げ出されたまま誰も回収はしない。色々な主張を散らかせるだけ散らかしておいて何に集中して考えればいいのかわからないようにしたのは何故なのだろう…


邦画としては破格の80億円という予算をつぎ込んでの制作にしては素人目からしてもお粗末な点が目立つ。多数の人間が関わっていても、作ってる本人達はそれが本当に第三者にとって面白いかどうかわからないという事は媒体が違うとはいえ色んな制作に関わって知る事ができた。しかし、整合性がとれてなかったりテーマやコンセプトがおかしかっり、台詞回しに関していえば誰でも気付くレベルのおかしさだ。
脚本を読みなおしたり、Vコンテをみんなでチェックするといった基本的な事すらやってたのか怪しい。全員が同じ図を頭の中に持つのは難しいだろうが、分業化が凄まじいハリウッドに比べてこういった所でも日本は甘くやってるように思えてしまい、残念に思ってしまう。VFXに関わった方々はその技術やセンスを存分に活かせたと思うけど、そうやって苦労したものが映画全体の批評的にはダメダメの烙印を押されてしまい人の目に触れる機会が少なくなってしまうのは嘆かわしい様に思う。

本当なら、茶化してレビューしたかったのだけど筆が進むにつれて段々本気でイライラしてしまいこんな感じの締めになってしまいました。ちなみに、ここまで愚痴ったものの巷でよく言われる「デビルマン」程ではないので1000円デーにネタとして見にいくならありだとは思います。



ここから更にチラ裏


もし劇中での設定を活かして中盤以降を改良するなら、Xウィルス(ギャラクターになるウィルス)に感染したジョーは発症して皆に迷惑をかける事を恐れ単独行動を取り行方不明。リュウも石の力でこっそり監視の目を盗んで母親の元へ。ジュンとジンペイは捕虜になった両親がいる場所をイリヤから密かに伝えられ動揺しそこへ向かったり向かわなかったり。自分以外全員いなくなってしまい孤独になった健は過去同じ様に1人になった時を南部博士と思い出し二人で今を考え直す。しかし敵は牽制の手も緩めず、後悔する暇も無く単身戦いに出た健はピンチを迎える。そこへ母親に直接諭されたリュウが現れ、罠にかかるも道中両親への思いを消化し前へと歩き出したジュンとジンペイも助けにくる。難を脱した4人は敵の基地へ直行し、1人でベルク・カッツェと戦っていたジョーの元に現れる。ベルク・カッツェの正体に健、ジュン、南部博士は動揺するものの全員で協力し彼女を倒す。Xウィルスに感染したジョーはそれを活かして基地を衛星へぶつかるように手動で操作しようとする。その間に逃げろと彼は言うが健は「何かを救うために何かが犠牲になるという考えは否定する!」と放ち、その後各々の得意技を使って無事基地から脱出。そして、南部博士が実は用意していたゴッドフェニックスの秘密兵装「火の鳥」にて衛星を破壊し、超高熱量から自滅する可能性も運良く回避して大団円…という終わり方なら良いんじゃないかな~とか思ったり。

仲間、仲間と推しているのに5人全員で何かに立ち向かうというシーンが実は一回も無いのでどうしても空虚な言葉としか捉えられないんだよなぁ。実際に良い設定・展開が期待される要素は多かったのにそれらが活かされてないのが駄作感を押し上げてる希ガス。現在興行収入は1億ちょっとで最終的に10億いくかどうかもわからないから次回作に繋がる終わり方も無意味に終わるのかも。
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theme : 映画レビュー
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