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10月に観た映画雑感

また映画かよいい加減にしろ!!!って声が聞こえてくる(ニコ生でも)
前回は9月が終わった時点で纏めたけど今回は徐々に増やしていく感じで。

例によってネタバレありなので視聴済みかネタバレOKな人だけmore...から

タイトルは(●は過去に観た事がある作品

ザ・スタッフ
アトランティックリム
カウボーイ&エイリアン
キャビン
ターミナル
イングロリアス・バスターズ
ジャンゴ
メタルマン
プラネット・テラー
クリムゾン・タイド
十二人の怒れる男
ショーン・オブ・ザ・デッド●
俺たちフィギュアスケーター
007 スカイフォール
ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
ゲット・スマート
ジム・キャリーはMr.ダマー
ザ・ロイヤル・テネンバウムズ
ブルース・オールマイティ●
トロピック・サンダー
ビッグ・ヒット
TED
最高の人生の見つけ方●
ヘルボーイ/ゴールデンアーミー
(順次追加予定)
ザ・スタッフ



地下から湧き出たアイスクリームが侵略してくるZ級映画。
発想だけでも一見の価値があるし笑えるシーンがそこそこ多い。
アイスクリームの正体に気づいた少年がスーパーで大暴れするシーンや回転する屋内セットを使って壁を這うアイスクリームを描いたり部屋中をアイスクリームまみれにしたり流れてくるアイスクリームに向かって啖呵を切る場面等々…ツッコミ所が適度に配置されていて飽きさせない作りだ。(意図的かどうかは置いといて

ぶっちゃけ普通に見たら面白く無い映画なんだけどまじめに悪ふざけをしているという熱意みたいなものはあって見応えはあった!制作スタッフの人達はセットに充満するアイスクリームを見て大爆笑したんだろうと考えるとちょっとうらやましい。

アトランティックリム



大作が向かってきたら、公開時期を避けなければならない。
だが、パロディ映画を作れば流行に乗れるし、他のZ級映画に勝つこともできる。


戦闘シーンが少ないのもCGがちゃちいのもZ級なので許容できる。
だけど無駄に体裁を保とうとして意味のない台詞やドラマ、カット割りが多くツッコミをマジにさせてしまいバカパロディ映画としてはどうにも楽しめなかった。それに予算の関係でどうしても会話シーンが多くなるのに「くらえ!くらえ!くらえ!」「いけ!いけ!いけ!」「これでも喰らいやがれ!!」とか凄いチープな台詞を何時までも連呼してるのが度し難い。これだったらリンゾンの方が面白かったし、勝つこともできる。

ただ、女優さんが美人なのは良い点。多分スーツをもっと頑張ればそれだけで彼女のファンがもっと増えた。

カウボーイ&エイリアン



う、うーん…。
元々評判が悪くて避けていた映画だったんだけど面白いという人もいたのでYUU君と一緒に視聴。
結果は前評判通りという感じでなんとも残念な空気になった。
西部開拓時代を舞台に記憶を失ってしまった主人公が最終的には密かに人さらいをしていたエイリアンから人々を救うというお話。
見どころはダニエル・クレイグとハリソン・フォードの二人で、この二大スターが画面にいる事でようやく大作としての風格を出せてる。映画の内容自体は設定の整合性があまりにも取れてなくて一生ツッコミっぱなしになるし良い意味でも悪い意味でも期待を裏切るシーンが無く、余計に粗の方が気になってしまうという所。

自分にとって致命的な欠点としては先ほど見どころといったばかりのハリソン・フォード演じるウッドロー大佐が人生経験豊富な漢として描かれるのに「行動」での彼の描写が最終盤にしか無い事だ。侠気の中に溢れる優しさというものが口で伝えられるものばかりでいざエイリアンと面と向かえば転ぶ・やられる・助けられるといった情けないものばっかり。過去を語るシーンではフラッシュバックも無く「経歴は全部嘘のペテン師なんじゃ…」といった余計な心配もしてしまった。(実際はしっかり背景のある人だったけど
回想映像券は殆ど主人公が使ってしまうので「経験が生きた」という描写を「現在」にもう少し盛り込んでくれればこんな事を考えずに済むのだけど…ドラマがある最後の戦闘を終えて主人公を助けにくるその時までは口数少なく行動のみで自己を示す彼と比べてキャラクターの印象が微妙で正直モヤモヤする2ショットだ。

宇宙人達の目的や手段。ヒロインの立場、記憶の辿り方・蘇り方や人間がエイリアンに勝つまでの流れはもうB級娯楽大作として捉えて無視しよう。そうすれば良質なCGは目白押しで荒唐無稽ではあるが力強い展開も楽しめるし大スター二人の魅力に酔いしれる事はできる!
…だけど「頭を完全に空っぽにしないと見れない」というのは逆に見る側に求めるハードルが高すぎる。印象的で格好いいシーンが少ないのもあり突出した部分が見いだせず全体的に評価が低くなるのは仕方が無いと思ってしまった。なにより「エイリアン」成分を期待してた人からすれば彼らの描写に対する説得力があまりにも酷すぎてタイトルでちらつかせている餌に対しても怒りを湧かせる様な作りだ。
Z級映画というくくりなら面白い部類だけど「SF要素も混ぜた大作です!」で、これはどうなんだろうか…。

キャビン



カウボーイ&エイリアンの後に続けて視聴。結果大満足の作品!
旅行で来た別荘で怪物に襲われる男女五人組と、そういうストーリーを意図的に作り上げている管理者達双方の視点で描かれる映画。
王道ホラーの作りを逆手に取ったような設定が非常に斬新で真面目に恐怖映像を練り上げている事がコメディとしての強みを押し上げている。神の視点で映像を眺めている自分達視聴者からすれば化物に襲われているメインキャラクターの5人のパニックっぷりが大爆笑ものでお約束の展開は元より、本来ホラー映画の中に組み込んではいけないであろうトラップに突っ込むシーンでは映像が流れる前から笑いを抑える事ができない始末だ。

売り出し方や感想等々では「予想できない展開」「大どんでん返し」といったフレーズがよく見られるんだけどそこはあまり重要ではないと思った。何故なら管理者側の視点で分かりやすい前振りは何度となく行われているし、それらは予想外の展開にびっくりする主人公達の姿を滑稽に見せる為の演出だ。そして、オチに至ってはクトゥルフを全くかじってない人からしたらただただ意味不明で何の面白みもないため一種のファンサービスとして用意されたかの様に思える。大体、祭りが始まってから分かりやすく画面に映されたitのピエロとかヘル・レイザーのあいつだとかLeft4DeadのあいつらとかF.E.A.R.の幼女だとか元ネタありきのキャラクターを出してる時点でスプラッターシーン以降は「知ってる人はより楽しめます」という作りにしか思えない。(というかこいつら許可とってるのか…?
なので、どちらかといえば本来緊張感がある主人公視点はホラーからコメディとなり、管理者視点はコメディからホラーになっていく。そして最後にお互いの視点が交じり合いながらも結局は王道でしめて「やっぱりホラー映画って冷静に考えると笑えるよな!」という潔い主張がこの映画の良さではないのだろうか。日本予告版では「定番を破壊する」なんて書いてあるけどそんな導入でこれ見たら勘違いしちゃうような…。

祭り目的で見るならもしかしたら1時間ちょっとは退屈だと思うし元々スプラッターものに興味がなければこの映画の魅力は半減してしまう。とはいえここまで爽やかに切り込んできたスプラッターコメディ作品も最近珍しいので同じジャンルが好きな人にはオススメしていきたい作品である。
殆どネタバレしてるけど今から見る!という人は決して「ホラー映画」ではなく「コメディ映画」として楽しんで欲しい所。

ターミナル



良い映画。
飛行機で渡米している間に祖国がクーデターによって消滅してしまい、無国籍人間となった主人公が唯一行動を許された空港内で生活する様を描いた作品。最初は言語の違いにより埋まらない人間関係の溝も主人公演じるトム・ハンクスの努力により徐々に徐々に埋まっていき彼らとの絆にニンマリしてしまう作品。
1人の人間にここまで皆が注目するのは基本的にあり得ないが「空港」という密室がそれに説得力を持たせている。彼にも生活習慣があるのでそのレールの近くにいる人は何度も彼を見かけるだろうしその内名前を覚える。癖や好きなもの、苦手なもの、特技は例え彼の友人じゃなくても知っていく筈だ。そして生きていくための直向さはどんな人の心にも響いていくだろう。
コメディ部分も良質で序盤の言葉が通じないディスコミュニケーションネタから結構笑えるし「待つ」という事に関連する行動もやりすぎで面白い。でもそういった彼の行為にはしっかりとした背景があり、そこにぐっと来るようになるから凄く気持ちが良い。
笑いに関してはくど過ぎな部分もあるのでそこが鼻について肝心のドラマがよく見れなくなるかもしれない。だけど「待つこと」という一見後ろ向きに見えるテーマに希望や特別な思いを抱かせる作品なのは間違いないだろう。

なんか、改めてスピルバーグ監督の製作作品や製作総指揮作品眺めると未だに映画っていうジャンルに対して色々な可能性を見ていて楽しい人だなぁと思う。

イングロリアス・バスターズ



久々のタランティーノ作品!大学時代にデス・プルーフ in グラインドハウスを授業で見せられた時にこちらもオススメと言われたのを今更思い出し視聴。家族を殺されたユダヤ人が映画のプレミア上映に集まったヒトラーやゲッベルスに復讐を果たすまでのお話。

早朝に見るには少し暴力的すぎる内容だし割りと長い映画の癖に振り切っている人物のみが生き残る世界で最終的には後味が悪かった。とはいえ、一言で表すなら面白い作品。
相手がナチスなのを良い事に殺人を楽しむ主役レイン中尉の思慮の無さ、悪びれ無さ、遠慮の無さには正直好意を持つのが難しくラストシーンまで徹底した残虐っぷりだ。
ナチスといえば悪!という風潮はわかるしウルフェンシュタインRtCをやっている時は撃っていい的の如く倒すのを楽しんでいたがこの作品で同じような気持ちに浸る事はできない。劇中での彼らはユダヤ人大量虐殺の片棒を担いでいたが上官からの命令だったり自己の優秀さの証明だったり、言ってみればある意味理性的な理由に基づいてる。勿論家族だっているし大量のアメリカ人を撃退した英雄でさえその様を映像化させられてしまえば自分のやった行いが酷いものだと気付く。一方、レイン中尉率いるバスターズにそんな人間性は無い。彼ら1人1人にかせられた「ナチスの頭皮を100人分剥いでこい」というノルマに異議を唱える者はいないし殺しの手順も悪趣味だ。結果としてナチス兵の士気を下げる事に繋がってはいるが祖国や戦争終結の為といった大層な理由ではなく「アパッチの子孫」という自身の性質だけで行動をするのだからタチが悪い。

だけどそういった彼らへの嫌悪感やラストで見せたショシャナの醜い笑い声や表情は一転してこの映画の面白さに帰ってくる。交わらなかった中心人物二人の対比やステレオタイプな悪役を使い回し続ける事への違和感。そして今作で描かれる暴力のもう少し奥にある「戦争」の悲惨さをしっかりと感じた。
銃弾によってぐちゃぐちゃになるヒトラーだとか推理や心理描写だけを一つ一つ切り取ってもとてもおもしろいのだけどバラバラな話が綺麗に纏まっていく流れもまた流石と言わざるを得ない。正直、暴力描写の徹底っぷりが相変わらず陰湿な方向性なのであまり人にはオススメしたくないけど…。


ジャンゴ




気になっていたものの中々見られなかった映画。こちらもタランティーノ監督。
はぁはぁさんがBDを買ったというので上記イングロリアス・バスターズをクッションに挟んで視聴に望んだ。
結果としてやり過ぎ・残虐・陰鬱としたバスターズと違って求めていた爽快感がそこにはあった。あまり意味の無い演出を織り交ぜる事で退屈になりがちな話の繋ぎを楽しく見られるし、決して西部劇ものとしての流れから大きく逸れないように作られている。

聞く所によるとイングロリアス・バスターズから始まった復讐劇三部作の内の一つという事。黒人カウボーイが活躍する事やそれに反して白人がめっためたに殺されていく所は西部劇映画の歴史のねじれだとか人種差別を描いた映画の持つ力の怖さだとか、兎に角そんな業界への不満の現れも出ているらしい(他の方のレビュー調べ)
とはいえそんな監督の思惑を汲み取らなくとも無尽蔵に現れる名無しカウボーイ達が安っぽい台詞を吐きつけながら主人公達にバシバシ倒されていく様を見るだけで満足出来た。一旦痛快な復讐劇を満喫して、この映画を好きになってからそういった裏のメッセージを受け取った方が素直に楽しめるだろう。

勿論暴力描写も健在だがやり過ぎが功を奏して今作は笑えるものになっている。
「銃弾の入射角?反動?爆発の威力がおかしい?知らねぇ!見栄えが良けりゃそれでいいんだよ!」という清々しい作りは見てて気持ちが良い!!


メタルマン



く そ え い が

「Z級映画だろ?許してやれよ」だって?知るかバカ!
アトランティックリムは役者のオーバーリアクションとパロディ映画を作り続けた経験から少なくとも映画としての体裁は保てていた。が、皆さんご存知「アイアンマン」のパロディである「メタルマン」は映画としての体裁をアレよりも保とうとして退屈な会話シーンが全体の7割をも持って行ってしまっている。しかもイマジナリーラインに忠実すぎて画そのものがやぼったいのに一緒に映っているショットは非常に少ないので本当に二人とも面と向かって話しているのか不安になってくるという始末だ。会話の内容もどこかで聞いた事のある台詞をつぎはぎしたようなものばかりで真面目に聞くに値しない。

酷いのは色々とやりたい事が見え隠れしていて「ちゃんとした構想はあったのかな」という印象を受けた…のだけど制作側に飽きが来たのか後半から様々なテンプレ展開を織り交ぜていくようになり、オチも「序盤からしっかり伏線を張っていたんだからね!」という主張をしておきながら結果は超突飛なものなのでED突入直後に手に持っていたうちわを投げつけてしまった程だ。アトランティックリムでさえラスボスは主人公が直接倒したというのに…。

だけど身勝手な博士に振り回された主人公やその他善人側のキャラクター達の台詞をメタ的なものに捉えれば結構面白い。「もうついていけない!」「酷すぎる!」といった心の叫びがまんま視聴者側の叫びと被るのでそういった意味ではキャラクターと同じタイミングで突っ込める良いパロディ映画なのかもしれない。もう二度と見ないけど。

プラネット・テラー in グラインドハウス



グラインドハウスという短編集の内、一つを長尺にしたもの。雰囲気は昔のB級上映館を再現したらしい。

無駄な台詞・本当に意味の無いシーンや設定が非常に多く、重要な章はまるまるフィルムが焼けたという事にしてすっとばしてしまったりと一見酷い映画のようだ。だけどそんなZ級映画の雰囲気も狙って崩したようなもので実際には凄い笑えるし気持ちの良いツッコミが出来る。ゲームで例えればポスタル2weekendやセインツシリーズのような悪乗り具合だがシーンを単体で拾っていけば感動的だったり熱血だったりと良質なおもちゃ箱の様なワクワク感もあるという豪華さだ。お話の整合性はとれているがそれを成り立たせる要素は気にするなという熱いアプローチもZ級映画には出来ないA級の風格だろう。

何気にブルース・ウィルスが重要な役どころで出てたりタランティーノ監督(またお前か)の怪演もあるのでグロ耐性がある人には是非オススメしたい一本。
好きなシーンは主役格のエル・レイがミニバイクで疾走する所。

クリムゾン・タイド



めっちゃ面白い!
ロシアの狂信派が反乱を起こし核施設を制圧。自国の防衛の為に弾道ミサイル潜水艦を配備し、然るべき時に備えて出港。一度は発射命令が発令されるものの、二度目の指令書が不完全な形で送られて来たため発射を見送るべきと主張する副艦長ロン・ハンター少佐が不完全な命令は無視して発射すべきと譲らない艦長と対立するお話。

舞台が閉鎖的な映画を見たことが少なく、自分に合うかどうか不安はあったものの大満足だった。
単純に正しい主張vs間違った主張、という逆転ものを想像していたのだけど実際には「どちらが正しいかは結果を見るまでわからない」という作りで本当に最後の最後までハラハラさせられた。
これがもし「大佐は悪い奴」だとか「主人公は聖人」といったような描き方をしていたらどちらの主張が勝つかに興味はあまり沸かなくなる。が、主人公は実戦経験がなかったり、余計な真似をしたせいで潜水艦を敵に晒してしまったりとボロを出してしまうせいで「もし本当に大佐の言う事が正しかったら…?」と疑心暗鬼に陥ってしまう。対立する大佐は見事な演説をこなし、船員からも信頼され、実戦経験も豊富ときている。主人公もそれを見習って下士官とのコミュニケーションを重視したからこそ最後の壁を破れたのであり、主張のバランスは取れてなくともお互い並び立つ事ができたのだ。

そんな、当事者でさえ答えがどっちなのか本当にはわからない状況で頭でない手足の下士官が自分で考えて行動を起こしたり全力を尽くそうと時には命を投げ打ったりする。結果を見た人はそれを無駄、と思えるかもしれないが目の前で起こっている事に立ち向かわなければそれこそ当事者は答えがわからないままだ。それは本当に些細な事や、川、道路、線路での事故。大きく捉えれば戦争だって個人個人では結果を予測できない。
だからこそあの右も左もわからない様な環境で最善を尽くし続けたクリムゾン・タイドのキャラクターひとりひとりの歓喜の声にほっと胸を撫で下ろすと共に興奮する事ができた。誰も憎悪や相手を非難したいが為に行動しているわけじゃない、ただただ自分が信じる何かの為に行動しているという純粋さが無ければこんな清々しい気持ちにはなれなかった筈だ。兎に角オススメの一本!

※wiki見たら脚本のリライトにタランティーノが関わってるとの事。またお前か!!

十二人の怒れる男



続いて密室系。この映画を知ってる人からしたら月並みな感想だろうけど紛れもない傑作だった。
先日見たクリムゾン・タイドとシチュエーションや議論の白熱っぷりは似ているがこちらの舞台は序盤の法廷シーンを除けば約4mx8mたらずの会議室のみで話が進行する。

先月まで逆転検事をやっていた自分としては中々タイムリーな映画で(あれは陪審員制と関係ないけど)疑問のある状況証拠が室内の彼らによって真相に近づいていくのも面白い。途中ある人物が「話し合いができて、一つの疑問に対してここまで真剣になれるのが民主主義の良い所なんです」と語る様に利益だとかを超越した人間の良さみたいなものも所々かいま見える。

少年が本当に無罪かどうかは描かれていないので結果として彼らの選択が正しかったのかは定かではない。一番最初に異を唱えた陪審員8番も「これは賭け」という認識をしていたし、真犯人がわからない以上事件の真相は闇のままだ。だけど陪審員として参加した彼らは各々自分と違う人間がいる事を改めて自覚し、最終的には誰もが真剣に有罪か無罪かについて考えていた。最初の5分で評決を終わらせようとしていた適当な空気からしたらこの光景に熱くならずにはいられない。人が人を裁く事は難しいという制度の穴を見せつつも、それでも話し合える事の素晴らしさを説いていた今作にとっては素晴らしい結末ではないだろうか。

ちなみにロシアでリメイクされた「12人の怒れる男」という映画もあるらしい。すぐに見てみたいけど間を置かないとこれと比べちゃって素直に見れなさそうなのでまた何時か。

ショーン・オブ・ザ・デッド(何十回目か



色々あって一番好きと言える映画を再確認。
ゾンビ映画ではあるがコメディ映画であり、ロマンスもあるという贅沢な作品だ。
高校時代、たまたま900円映画の棚からこれを発見。そして視聴直後には本来の卒業制作を投げ出し実写作品を取る事を決意し、結果先生方からは大目玉を食らった。だけどそんな一時のへこみなんて今も尚続いてる交友関係のキッカケを作ってくれたこの作品を見られた事に比べれば屁でもない。兎に角素晴らしい映画だ。

お話はゾンビの感染拡大がイギリスのある地方で広がり始めた事で、最近色々上手くいってなかった主人公ショーンが仲間達を連れて安全な場所まで逃げようとするもの。
言ってしまえば「あるあるネタ」(ないんだけど)で構成されている作品なので過去ゾンビものやイギリスというお国柄に詳しい人程楽しめる作りになっている。だけど優秀なのはそういったオマージュやパロディの元ネタを知らなくても「ゾンビ」という知らない人の方が珍しいシンボルを使い「日常に現れたらどうする?」というよくある想像をストーリーの主軸にした事だ。皆が突っ込みたかったものや試したかったものがそこには描かれているのでそれだけでも映像化した意味があるし笑える事もできる。「ゾンビが出たら」というギミックをここまで徹底して描けている作品もそう多くはなく、それがコメディ映画として作られたこの作品がゾンビものとしても高い評価を受けてる所以だ。

一見「馬鹿馬鹿しい」といった感じのゆるいコメディが続くので人によっては爆笑できないかもしれない。クライマックスのワンシーンの為に長い前振りも入るしそこでグダったと感じる人もいるだろう。だけど挑戦的なシーンは多々あったし最後の二人の友情に何か感じられる筈だ。もし、自分が限られた映画しか見る事ができない孤島に閉じ込められるのなら他のゾンビ映画の空気も思い出す事ができるこの作品を迷わずもっていく。

俺たちフィギュアスケーター



主人公のジミーとチャズは互いに男子フィギュア界のトップを争うライバル同士だったものの表彰式での喧嘩により金メダルは剥奪。男子シングルからも永久追放される。その後なんやかんやありいがみ合っていた二人が登録可能である「ペア」の部門に挑む様になるお話。

タランティーノ関連がどうも良い意味で心を濁しちゃってる気がするので急遽コメディ分を補充しようと思って視聴!非常にお手軽かつ考えずに楽しめるコメディで面白い!
スポーツが主軸の作品ではないので雪上で滑っているシーンは多くないけど優勝する為に考えられた阿呆みたいな必殺技や、習得する為の特訓、本番での披露としっかり熱血もののポイントが抑えられていた。下ネタが結構酷く、過激なジョークもあり思わぬ所でひやっとした事があったけど、王道スポ根からは逸れずに安定した話で進んでくれるのでそれらがしっかりと「ギャグ」や「ネタ」なんですよと理解でき受け入れやすくなっているのだ。下手に感動やロマンスを引き伸ばさない所も良い。ギャグ成分もスポ根成分も王道の美味しい所をとことん盛り込んだ一作だ。

ちなみに好きなシーンはトレイラーにもあるマスコットがひどい目に合うシーン。

007 スカイフォール



味方の誤射によって任務に失敗した007が行方不明になってから数ヶ月後、MI6のトップであるMのPCがハッキングされ本部も爆破される。敵は誰なのか。狙いは一体何なのか。と、いう話。

しっかりと見る初めてのボンド映画!実はゴールデンアイをちょろっと見たことがある程度のにわか。
ダニエル・クレイグを最近見たのはカウボーイ&エイリアンだったのだけど他を寄せ付けない強さの中に人間らしい弱さというのも兼ね備えていて等身大のヒーロー像として強く印象に残っている。そんな彼が適切ではない命令のせいで命を落としそうになった事から酒に溺れたり、ブランクで本来の力を出せずとも強がってみせるその姿は良い意味で親近感がわいた。

ただ、敵と味方のやりとりについてはやけに「ダークナイト」を想起させるような部分が多い。一見荒唐無稽な作戦をいとも簡単にやってのける最大の敵シルヴァの立ち回りはジョーカー同様、特定の人物に対する強烈なまでの愛憎によってもたらされてるし、対するボンドも自身の復活という目的の為に無茶な行動を取る。ヒーローや正義を描いてる作品じゃないので勿論別物なんだけど、そのせいで本来ドキドキする筈の展開に「ちょっと待って!」と、置いてかれる事も多くあまりアクションの内容には熱中できなかった。それこそ序盤のボンドのしつこさや、そんな騒がしさの中でも裾を正すというちょっとしたユーモアや気品を見せる所が楽しかったのに次第に007という映画で描かれるリアリティの中心の方が気になってしまったのだ。
恐らく過剰なまでに絵画的に描かれた印象的なシーン一つ一つに意味があり、それを追ってこそ「007の復活」という今作のテーマも理解できるようになるのだろうけど教養や間を読むのがどうにも苦手なせいで「綺麗な画面だ」という印象で止まってしまう。そうなってしまうともう敵の作戦の遠回りっぷりやボンドの身勝手さ等々ばかりが目についてしまい復活劇のカタルシスはそこまで得られずじまいだ。

それでも一本の映画として非常に面白かったと思う。
動きは楽しめなかったものの画面構成は非常に見所があったし、ボンドという人間像には興味が出てきた。徐々に力を取り戻していった彼が次は何をするのか、それが気になっただけでも大成功ではないだろうか。こういう雰囲気の映画だとすぐに「最近はダークヒーローものが流行って~」と言われそうだけど別に今作のボンドうじうじしてないし画面の印象だけで大きなカテゴリに纏めちゃうのは視野が狭まってもったいない気がする。

少し007シリーズに興味が出てきたので今度は同じダニエル・クレイグで評判も良い「カジノ・ロワイヤル」を見ようかなと思ってやす。

ハングオーバー!



新郎のダズ、教師のフィル、歯科医のスチュ。そして婚約者の弟アランはダズの結婚式前に独身最後のパーティをラスベガスで行う。しかし、ホテルについて飲み明かしていたと思えば朝になっており部屋の中はぐちゃぐちゃ。本物のトラがトイレにいるし何故か赤ん坊の鳴き声もする。そしてダズも行方不明になってしまった。彼ら三人は二日酔いに苦しみながらも失った記憶を辿りながらダズの行方を探る事になる…というお話。

よく生放送でオススメされていたのに見てなかった映画。
風邪が予想以上に長引いた今自分を元気づける為に視聴…結果凄い良かった!!

コメディ部分も楽しめたけど記憶を探っていく過程が何よりも面白い。マットの件を含め様々なヒントがしっかり散らばっていて疑問が次々に明らかになっていく中、時には予想もしていなかった人物の登場にビックリしたりもする。全ては悪酔いが原因なんだけど自分たちが生んだ面倒事なので向き合うしか無い。そこでお互いの長所を活かしながら進んでいくので悪かった印象も徐々に挽回したり、友情が育まれていく様も見ててほっこりした。

ただ、下ネタはそうでないものの過激なギャグが受け入れられるかどうかはわからない。
必然性がなく不条理で痛々しいものも結構あるので自分は面白かったけど理由のある痛みじゃないと笑えない人にはコメディ部分が合わない所も多々あると思う。特に前歯を抜く件やスタンガンのシーン、バールで殴られたり車に激突されたりするシーンは好みで大きく別れるだろう。
だけど先にも書いた謎解き、友情。そしてダズやスチュ、既婚のフイルに関するロマンスがしっかりとコメディ部分を支える土台となっているのでそちらの方に集中してみればまた評価は違うかもしれない。エンドロールも含めて非常に良い気分になれる映画でした。


ゲット・スマート



エージェントになりたい主人公マックスウェルが分析官としての優秀さ故に、ようやく合格を貰ったにも関わらず昇格を断られてすぐ、彼の勤務先であったコントロールの本部が敵組織カオスの襲撃を受ける。現場エージェントの身元が殆ど割り出されてしまったため、急遽顔の割れてないマックスウェルとエージェント99を現場に送り敵の陰謀を阻止する…と、いったお話。

個人的に大当たりの一作!
と、いうのも本作が80億というコメディ映画にしては破格の予算(あれと同じ額)がかけられている事。加えて、真面目にやるべきでない事を真面目にやるという自分が大好きな悪ふざけを映画というメディアで本作はやってくれたからだ。映画全体を通して良い意味で「馬鹿馬鹿しい」と思わせるのはそう容易ではない。どこか少しでも手を抜いて見栄えの悪いアクションや適切でない下ネタを入ったりしてしまうと「ふざけて作った」というマイナスの印象が強くなってしまうからだ。だけどこの映画では糞真面目に王道のアクションを取り、糞真面目に王道のギャグを入れ、糞真面目に王道のストーリーを辿る。そして主人公は糞真面目で優秀ではあるがどこか抜けてる…と、この映画の作りそのものを体現したキャラクターとなっているのだ。おかげで愛嬌ある主人公に好意を持ちつつ映画の全体像を把握する事ができたので最初から最後まで退屈する事なく視聴できた。

マックスウェルを演じているスティーヴ・カレルを初めて見たのは自分にとって思い出深い作品「ブルース・オールマイティ」で次に観たのが「40歳の童貞男」だったが、どちらも真面目な役柄だったからこそギャグシーンでのギャップや奇行が際立ち笑いに転じていた。他の作品ではどうだったか知らないがこのゲットスマートでも馴染みのある役柄だったのは幸いだ。(ちなみに最後に見たのは「リトル・ミス・サンシャイン」)

コメディでは人によって笑いのツボが違うし「笑い」の仕組みを理解している人からすれば良い構造の上に立ってないギャグは面白く無いだろう。捻りの効いたギャグは多くないし、もし自分が主人公のキャラクターに別のイメージを持っていたらこの作品を楽しめなかったかもしれない。そう考えるとやはり人を笑わせる作品というのは難しい。いくらハリウッドといえど80億という(あれと同じ)予算をかけてこの作品を作る事自体がある意味正気の沙汰ではないし、スタッフの全員が全員「コメディを撮ってる」という信念を持ってたわけでもないだろう。それを見事完成度の高い作品に仕上げた監督の手腕や、真面目に自分の役を演じきった俳優の方々には感嘆せざるを得ない。

べた褒めしたものの「真面目にやりすぎ」という事で笑えない人はいるかも。
でも笑いを超えた痛みだとか悲しみだとか怒りにギリギリ触れそうなギャグを入れられても通じゃない人からしたら逆にヒヤヒヤして見られたもんじゃないって事もわかって欲しい。この作品は、そういった心臓が弱い人に向けても作られてるように思った。


ジム・キャリーはMr.ダマー



運転手をやっていたジム・キャリー。ある日、空港まで送った客がロビーに置いてきた身代金の詰まった鞄を忘れ物だと勘違いする。彼の親友と共に客の行き先であったアスペンまで旅をするがそこで様々なトラブルに巻き込まれ…というお話。

小学生がする様な本当の悪ふざけをそのままそっくりスクリーンに持ってきたようなコメディ映画。
ジム・キャリー作品の中でも名作中の名作と言われるだけあって人に対する遠慮の無いギャグが息をつく暇も無く炸裂していく。下品なネタは当たり前、ブラックジョークもなんのその、スラップスティックだって隙間があれば盛り込んでくる。
とはいえ、動物や人の「死」に関わるギャグ等、上記ゲット・スマートと違って一線を超えてるのが多いのも確か。これが笑えないとどうにもその場面を引きずって他の柔らかい笑いでさえ素直になれなくなってしまう。それを受け入れられるなら大爆笑必至の傑作コメディ間違いなしだけど自分は終盤の白ふくろう殺害シーンでトーンダウンしてしまった為にそこからエンディングに向かうまでが尻すぼみな印象になってしまった。(首もぎインコ関連は大爆笑してたのにね

難しいのがコメディと謳ってる作品は殆ど吹き替え観賞だった為、台詞によるギャグのニュアンスや韻、テンポを良く知る言語で理解できたけど、字幕だと韻やテンポはどうしても伝わりづらくなってしまうし、タイミングが合わなくなってくるので会心のギャグでさえ普通のギャグになってしまう事がある。ジム・キャリー作品は言葉遊びにも定評があると思うのでこの作品を字幕ではなく吹き替えで見ていたら印象はまた違ったかもしれない…。

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ



「元」天才家族達の崩壊と縁の復帰を描いた作品。

シュールな絵面に静かな演技、味のあるキャラクター達が揃っていてこれより後の作品にはなるがリトル・ミス・サンシャインを思い出す。大きな違いは画面に劇的な変化が起こらず、視聴者には淡々と台詞による説明が行われるのでその辺りを嫌う人が多いかもしれない。
だけど、大きく画面が動く映画ではないので彼らの部屋を隅々まで眺めてると面白い発見があったり、家の作りの奇妙さに気付くこともある。ロイヤルが「ほんのちょっと」何かに気づいていれば家族がバラバラにならなかったのと同様に、見る側もその「ほんのちょっと」があればそれに応えてシュールな笑いも提供してくれる作品だ。

それに個人的にどんなにしょうもない目的でもがむしゃらに前を進もうとするキャラクターには心打たれてしまう。なんといっても良かったのは途中まで自身の体裁を取り繕う為だったロイヤルが「家族と仲良くしたかった」という自分の心に気付き、滑稽ながらも前向きに変化していく所だ。それを転機に他のテネンバウムズ家や彼らと関わった人々も最後の最後には足りなかったピースがハマった様に前へと動き出す。決して精神的に幸福でなかった人達が姿勢を変える事によって得られる幸せというのは見ていて良い気分になれるし、自分もそうしてみようといい方向に後押しされた。

決して能動的に観ないといけないわけじゃないけど「ほんのちょっと」画面に入り込むだけで少しだけ幸せになれる。そんな良い映画でした。


ブルース・オールマイティ



ニュースキャスターとして活躍したいのに未だ現地リポーターから抜けだせずにいるブルース。ニュースの顔としての地位も同僚に取られ、生放送中にそれを知った彼は暴れて放送局をクビになる。おまけにそれが原因で恋人との仲も上手くいかなくなり神様の怠慢に激怒する。すると、その本人から直接呼び出され「私の仕事に不満があるならお前が代わりをしてみろ」と言われ…というお話。

確か何年かぶりに再開した家族と初めて一緒に観た映画。ギャグではあるが濡れ場が映され若干気まずい思いをした事は未だに忘れない。

主演のジム・キャリーは元より、ライバルポジのスティーヴ・カレル。神様役のモーガン・フリーマンと隅の固め方が非常に良い。少し切なくなるラブロマンスが中心なんだけどジム・キャリーがそんな甘ったるいだけの展開を許さず終始暴れる様が兎に角楽しい。トレイラーだけでも神の力を使ってやりたい放題だし神の力なんて無くとも顔芸暴れ芸やかまし芸と自分自身を使って観客にアピールしてくる。そんな彼だからこそ映画の静の部分に来た時「これはロマンスだったんだ」と我に帰れる。本当に些細で、ちょっと切ない神話を元にした神の悩みも相まってしっとりとした空気も味わえるのがこの映画の良い所だ。



トロピック・サンダー



落ち目の映画俳優を主演に、スター達を集めて戦争映画「トロピック・サンダー」を撮ろうとするお話。

全編ぶっちぎれてるコメディ映画!なんといっても驚きなのが俳優陣。
すぐ上にもレビューがあるロイヤル・テネンバウムズでチャスを演じていたベン・スティラーが監督・製作・原案・脚本・主演を手がけてるのもビックリだが今やアイアンマンとしてその名が知れ渡っているロバート・ダウニーJrやコメディ映画ではおなじみジャック・ブラックと主役級の豪華っぷりが凄まじい事になっている。映画の内容が嘘映画予告等も含めてお下劣極まりないものなのにほぼゲスト扱いとしてトム・クルーズがあんな形で出てたのも意外だ。

また、作中色んな所で「映画」に関わるエピソードが含まれているだけで無く過去の戦争映画そのものも多数ネタにしている。だけど決して元ネタを知らないと楽しめない作りでもなかった。過剰なグロ描写に最初はびっくりしたけれど徐々に「作り物の戦争」アピールが効いてきて監督爆破のシーンでは予想できたのに笑ってしまったし、最後にはパロディも「ありそう」と見てない戦争映画を想像して面白がっていた。ベタベタだけどそこに知りもしない元ネタの存在をちらつかせる事でひと味違いコメディ映画になった印象だ。

難癖つけるならシンプルジャック等々ブラックジョークがちょっときつい所か。自分はそこも笑えたけど。


ビッグ・ヒット



主人公は殺し屋軍団の社員。だが極度のお人好しが祟って仲間には恵まれず、女性も悪意は無いが二股をかけてしまったせいで胃腸薬が手放せない。そんなある日仕事仲間の個人的なヤマに乗ってしまったが為に婚約者の家族とゆっくり話しあう事も出来ず、組織からは追われ、レンタルビデオの返却は迫られ散々な目に…というお話。

製作総指揮にかの有名なジョン・ウーがいるけど鳩は飛んだりしない。
アクションシーン等々、普通に見応えがあるシーンがある一方無駄にセクシャルなシーンにも力を入れている。それも相まって主人公のお人好し設定が男友達に対しては正しく機能しているのに、女性関係となると「嫌われたくない」という一心だけでなくスケベ心をいっつもチラチラさせてる様に見えるので「だらしない奴だな!」という印象が強い。最終的に1人で全て片付けるのでその強さに惚れ惚れするし敵が清々しい悪役っぷりなのでコメディ目的でなくとも見れる映画だった。



TED



奇跡により命が宿ったテディベアと、そのテディベアから離れられない中年男性のお話。

ビッグ・ヒットの主人公を演じているマーク・ウォールバーグが今作でも主演をやっているので丁度いいと思い去年の話題作を視聴。ビッグ・ヒットに引き続きなんだかやたらとキスシーンが目立つ作品だったけど前評判の「ブラック・ジョークが酷い」とか「下ネタがやばい」という煽りに比べて正統派な少年(中年だけど)の成長譚という印象が強かった。

ギャグも下ネタを除いてはパロディや例え話が多めで翻訳に際して出来るだけ理解しやすいものに意訳されたものが多かった。(ガチャピン・星一徹等)また、トム・スケリット等のゲスト出演はスタッフロールで「him self」と書かれてて「本人かよ!」と思ったけど途中野外ステージで協力してくれた女性は知らなかったしフラッシュのあの人も作中での仮想ヒーローと思っていたのでこちらもネタとはわからなかった。

なんにせよネタの大部分が向こうのサブカルを軸にしているのでちょっとばかし通じない所はあるものの、決して元ネタありきの脚本にもなってないので笑える所は非常に笑える。下ネタに頼りすぎず、ブラックジョークに頼りすぎず、安定のドタバタはちょびっとだけ多めとバランス良く面白かった。
なにより最初の方にも書いた「少年の成長譚」という点で話がしっかりと纏まっているのが好印象だ。
決して成長する為には何かを切り離さなければ駄目、というお硬い話ではなく成長した上でどういう付き合い方をするか…と、ポジティブな方向性だったので今もゲームや漫画から離れられない自分にはよく共感できる内容だった。テッドが過激なまでに擬人化されているせいでぬいぐるみでなくても成立する話は多いが、テディベアは「子供の象徴」として強く印象に残るおかげで本人やそれを離せずにいる主人公の幼さを観客が直ぐに受け取る事ができる。掴みとしてはバッチリだと思うしそれによって酷い下ネタやブラックジョークはいくらか緩和されてる気がする。大雑把に見える画面とは裏腹にきちんと考え練られたコメディ映画なのは間違い無いだろう。

そんな王道コメディなので下劣なものを期待してた人は肩透かしを食らったかもしれないし、ストーリーもベースはディズニーっぽいのであまり捻ったものではない。だからこそ安心して笑ったり下ネタが逆にアクセントとして効いたりと不思議な作品だ。個人的にはテッドの面接関連が凄い面白かったし最後の意味があるのか無いのかよくわからない後日談。それと大々的にやっちゃってるスーパーマン・リターンズ等の映画ネタには凄く笑わせてもらったので見れて良かったと思える一作だ。


最高の人生の見つけ方



余命1年以内を告げられた二人の男が死ぬ前に「棺桶リスト」を消化していくお話。

少し嫌な事があったので気分を持ち直すために再視聴。
死に向かっていく悲しいお話…と、思いきや徐々に主役の二人に羨ましくも笑ってしまうようになる映画。
生きるために戦うのではなく、自分の人生と向き合い戦う事で本来立場や考え方が全く違う二人に共通点が生まれ友情が育まれていく。馬鹿馬鹿しいと愚痴ったり譲れない一線で多少のいざこざは起きるものの相手への思いやりがちらりと見え始める所は凄く微笑ましかった。

印象的なのは出てくる主なキャラクターが信じる何かを持っている事。
カーターやその家族の様に神様を信じている人達もいればエドワードの様にあるコーヒーを信仰して他人に薦めたりする人もいる。そういう所が気になった上でこの映画のラストシーンを見るとエドとカーターを間近で見続けたトマスが何を信じ何を思って行動していたのかを想像するのが楽しくなる。エドとのやりとり通り遺産目当てで淡々と仕事をこなしていったのか、それとも自分の仕事を信じて行動していったのか、はたまた二人を見ていく内に自分も棺桶リストについて考えたりしたのか。兎に角、一度クビ扱いになってもすんなり復縁して平然と仕事をしているあたり奇妙な関係だ。いわば彼は主人公二人を画面越しに見てた観客自身でもあり、思いを投影できる存在なのだと思う。
そんなこんなで説教臭さが全く無い映画なので観た後、自分自身で思いにふける事ができて凄く良い作品だ。


ヘルボーイ/ゴールデンアーミー



大昔、不滅の軍団「ゴールデンアーミー」のあまりの強力さに恐怖を覚えたエルフの王は敵対していた人間と停戦協定を結びゴールデンアーミーを封印した。しかし、それを良しとしないエルフの王子が彼らを復活させ人類を滅ぼそうとする。超常現象調査防衛局のエリートエージェントであるヘルボーイは今回も敵の野望を阻止しようとするが…というお話。

ずっと観たつもりでいた2作目。監督は最近パシフィック・リムでも観客を沸かせた事でお馴染みのギレルモ・デル・トロ監督。前作よりも空気や演出はデル・トロ監督らしくなっており個人的にはこちらの方が楽しめた。
なんといっても圧巻なのはその映像・美術でパシフィック・リムでもコンポッドをCGではなくできるだけ実写で表現した監督らしい徹底っぷり。人工と自然の分け方や融合が見事で現代にファンタジーを持ち込む事に成功していたし、ゴールデン・アーミーの造形や仕草も目をみはるものがあってヨハンが乗り移った時のパンチはエルボーロケットのそれを感じさせる。兎に角監督の好きなものがしっかりと映像作品としてアウトプットされていてそれに惹きこまれてしまったのは間違いない。

お話全体としてもクリーチャーを愛する監督らしい纏め方だった。三部構成らしく今作でその答えは全部出たわけじゃないけど異形同士の殺し合いに自覚を持ち始めたヘルボーイの行く先は凄く気になる。現在超多忙みたいなので三作目は当分先になるだろうが新作はしっかりチェックしたい所だ。
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